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 「JCJ神奈川支部通信」2002年年4月25日号から大野晃氏の講演を採録します。

 ワールドカップとメディア  (1)
   大野晃(スポーツジャーナリスト)

 最初から誤解
 サッカーのW杯について、日本では大きな誤解があった。W杯はオリンピックと同じように理念を持つもので、オリンピックよりも人気がある。だからその大会を誘致するのは、公共的な意味を持つ。そのように勘違いしてきた。
 しかし、W杯はオリンピックと全く違う。本質的にはサーカスと同じように売り興行だ。大会を主催するのはFIFAで、放映権料、スポンサーの協賛金など主要な収入は皆もっていく。いざ蓋をあけてみたら組織委員会は金が足りなくなり、自治体に分担金を要請した。開催地となった自治体は当初は高額な分担金など予想していなかった。
 W杯を日本に持ってこようという運動は、1992年頃。Jリーグの誕生と同じ頃。当時の小沢一郎「自民党幹事長がW杯誘致は景気対策になるといって推進した。Jリーグの本拠地とW杯の開催地の区別もあいまいなまま、多くの自治体が手を上げた。
 自治体はスタジアムの建設など巨額の支出をしたが、W杯は地元にたいした経済効果をもたらさない。

 W杯の効用
 それではW杯開催はまったく無駄だろうか。そうではない。W杯観戦で世界から来る人々との交流ができれば、日本のスポーツのあり方は大きく変わるだろう。招致活動した人々の中には、過去のW杯に行って地元のもてなしを受けた経験を持つ人が多い。ヨーロッパでは市民が生活の中でスポーツを楽しんでいる、W杯を見学にいって向こうの人に泊めてもらい、翌日「一緒に俺のクラブでボールを蹴るか」と誘われた経験があれば、日本のサッカーやスポーツのあり方を考え直すきっかけになる。
 もう一つ、日韓共催となった意味も大きい。日韓が一つの目的に一緒に取り組むことはこれまでなかった。
 もともと日本のスポーツ界は外交が下手で、国際会議での影響力がない。アジアの中で日本は重要な国だといいながら、東南アジアなどへのスポーツ貢献なども少ない。
 一方、韓国は北と対峙しているから外交がうまい。スポーツの国際会議でも自分の意見をうまく主張する。W杯に立候補したとき日本は絶対に自分のところに来ると多寡をくくっていた。韓国は交渉能力で自分のほうが優位にもっていった。途中でFIFAは韓国だけの開催に経済効果などでの面で不安を持って、共催を打ち出し、韓国はそれに乗った。単独開催が当然だと思っていた日本は、承認せざるを得なかった。
 韓国との共催はよい環境を生み出している。一つは在日の人たちへの理解が進んだことだ。高校サッカーや高校野球で朝鮮学校が予選参加を認められたのもその一つだ。日韓友好のためにW杯を盛り上げようという動きもある。
 こうしたことは民間でしかできない。日本政府は歴史認識の問題で、きちんとした謝罪ができない。 また過去を教育できちんと教えていない。日本の若い人は不幸だ。韓国に行き向こうの若者と話すと何も知らないことで、無教養な人間とみなされる。ソウルオリンピックの取材で韓国へ行ったとき、若い記者は日韓の過去の歴史を何も知らず、戸惑っていた。政府がきちんと謝罪しない限り本当の日韓友好はない。
 それはさておき、世界との交流、日韓の協力という二つのメリットを追求できれば、W杯には意味がある。だが、どちらもそれをやっているのは民間の人たちだ。W杯を機会に日韓友好が進み、日常での市民スポーツが盛んになればW杯は買い得のイベントになる。
 
   スポーツ政策
 前回のW杯フランス大会が成功した背景には、ミッテラン政権に始まるスポーツ振興策があった。フランスは西ドイツのゴールデンプランに対抗して各地に市民スポーツ施設を建設した。そして市民スポーツ活動を企画、マネジメントする国家公務員を派遣している。そして市民の日常的なスポーツ活動をサポートしている。そうした政策の中でW杯も開催された。
 日本も方向性としては分かっていて、全国で数万人の社会体育指導員を任命している。ただしこれはボランティアで元教員の名誉職になっている。
 
 大会後の施設利用 
 W杯後でも日本では競技場などのハコモノをどう運営していくかに追われ、市民スポーツの振興という観点が少ない。長野オリンピックも地元に殆どメリットがなく一部の人が儲けただけだった。施設も一部を残して別のものになった。
 昨年、スイスのサンモリッツという冬季オリンピックが2回開かれた町へいった。アルプスの麓にある国際的なリゾート地だ、五輪施設がその後どう使われているかを見てきた。スキー場はオフシーズンにはトレッキングコースとなり、スキーリフトで観光客を山の上まで運んでいる。そしてプロのガイドがついて安全にトレッキングを楽しむことができる。
 オリンピック開催がスイスの観光政策の中に位置づけられ、施設も有効利用されている。
 ちなみに外キングが盛んなのは北欧諸国。環境保護運動とスポーツ活動が連携して、森と湖の環境の中のハイキングツアーが企画されている。
 大会後にいかに施設を市民のスポーツのために活用できるかで大会の意義は決まる。施設の採算性だけで、コンサートイベントなどが中心となり、市民利用につながらないのでは、施設建設の経済効果だけということになる。


 ワールドカップ準備見学会

 ワールドカップとメディア(2)


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