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放送を語る会と日本ジャーナリスト会議の、報道機関への申し入れ。 7月2日付。

参議院選挙に際し、公正、公平で充実した選挙報道を求めます。

 参議院選挙の投票日が迫りました。私たちはこれから本格化するテレビの選挙報道に関して、標記の申し入れをすることとしました。
これは昨年の総選挙の際、各放送局に対して行った要望を引き継ぐものです。テレビ局報道担当各位に、以下の内容をしっかりと受け止めていただくよう要請します。

 昨年の総選挙では、自民党が、小選挙区で4割の得票数で8割の議席を獲得するなどして圧勝し、民主党が惨敗、新党の日本維新の会が躍進する結果となりました。投票率は戦後最低、無効票も200万を超えました。
 このような結果をもたらしたのは、小選挙区制の弊害によることはもちろん、同時に、巨大メディアの一連の選挙報道の影響によるのではないか、と私たちは考えています。
特にテレビでは、圧倒的な量で民主、自民の「二大政党」と、いわゆる「第3極」に偏重した報道が続き、「政権選択選挙」という限定のもと、自民大勝の議席予想や、「二大政党」中心の世論調査が毎週のように伝えられました。このような報道が強い世論誘導の作用を果たしたことは明らかです。
 選挙の争点についても、局独自の調査取材に基づく争点の掘り下げが充分に行われなかったきらいがありました。とりわけ憲法改定問題では、改憲派の意図する国防軍創設、天皇元首化、国民の権利の制限、などの重大な改定点が充分には伝えられず、争点としては埋没させられました。
 憲法改定を望まない国民が世論上多数でありながら、改憲を主張する勢力が3分の2以上の議席を占める、という異常な「ねじれ」状態が生まれたのは、こうした選挙報道が一因ではなかったでしょうか。

 有権者の多数は、投票にあたって、今なおテレビ報道を重要な判断材料としています。
 私たちは、先のような選挙報道がテレビメディアで繰り返されるのではないかと懸念し、あらためて次のように要請します。

1)政党、政治家の動きを追う「政局報道」に偏ったり、「衆参のねじれ解消が最大の焦点」とするなど、争点の矮小化報道に陥ることなく、各政党の政策・主張を丁寧に伝え、有権者の判断に資する、政策中心の報道を充実させること。
  各党、各政治勢力に、できるだけ多くアピールする時間を保障し、放送での政党間の相互討論の時間を確保するなど、争点を明確にするための番組を数多く放送すること。
2)政党の政策・主張を紹介するにあたっては、現在の議席数の多少にしたがって放送時間量を配分するのではなく、少なくとも選挙期間中は、各政治勢力にできるだけ公平に主張の機会を与えること。
 
3)選挙の争点報道に関しては、単に各政党の政策を整理、比較するだけでなく、独自の調査報道に基づいて、各政党の主張を問う、という姿勢をもつこと。
また、ジャーナリズムに期待される「権力の監視者」としての役割を、選挙期間中封印することがあってはならないと考えます。
今回の参院選は、自公政権が維持される中での選挙であり、原発政策、オスプレイ追加配備を含む普天間基地問題、TPP、消費税、生活保護費切り下げや社会保障政策など、政権の政策が国民生活に大きな影響を与えている状況を踏まえ、選挙期間であっても、その政策を現実と照らし合わせて検証し、有権者に判断材料を提供する姿勢を欠かさないこと。

4)争点のなかで、とりわけ憲法改定問題は、国のありようと民主主義の根幹にかかわる問題であり、他の争点とは質の違う重大性を持っています。この争点をあいまいにしたり、後景に置こうとする傾向にたいして、報道機関としてこれを特別に重視し、多角的に検証する姿勢で報道すること。

5)昨年の総選挙時に繰り返された世論調査や議席予想は、世論誘導の恐れがあるとして、視聴者市民から批判が強かったものです。頻繁な議席予想の発表など、有権者に予断を抱かせるような報道は自粛すること。

6)上記のような放送は、過去の選挙報道の延長線上では実現が困難であることから、選挙関連番組を、長時間、数多く放送できるよう、編成の姿勢を抜本的に見直し、選挙報道の量と質を拡充すること。

放送法は、法の目的を、「放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が民主主義の健全な発達に資すること」(第1条3号)としています。
選挙報道は、放送が民主主義の発展に貢献するもっとも重要な機会です。
社会の公器としての放送に、民主主義の発展に資する原則的な姿勢が貫かれ、実現されるよう求めるものです。

以上

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