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5月20日、文京区民センターで開かれたアジア記者クラブ5月定例会「タイ情勢はどこに向かうのか タクシン派と反タクシン派の対立の背景について考える」に参加しました。
講師は一橋大大学院教授の浅見靖仁さん。
通りいっぺんにしか外報に接していないので、タイのタクシン派と現政権の確執について理解できないことが多かったのですが、民主主義とは何かとあらためて考えさせる知的刺激にみちた集会でした。

 わたしがついた時には講演はすでに始まっていました。 浅見氏は、73年のタノム政権を倒した学生などの大衆行動について説明していました。若くしてこの時の行動に参加した人々の中から、多くの政治指導者が出たようです。
 浅見氏は、73年以降のこれまでのタイの政治史をかいつまんで説明しました。
 ターニン、クリアンサック、ブレーム、スチンダーといった政権の名前はなじみのないものでしたが、その時々の国際情勢の影響を反映して、クーデターや政変繰り返されたようです。
 タイには、「枢密院議員」と訳される王室の顧問団があることを初めて知りました。

 タクシンという人物は警察の出身。格安航空券や格安携帯電話など許認可にからむ事業で財をなした人物です。タイ愛国党を組織して、2001年に選挙で勝利して政権に就き、医療費を無料にするなど、貧しい層に恩恵をもたらす政策で人気を集めました。しかし、これまで豊かだった層の反発も招き、2006年にクーデターで政権を追われました。反タクシン派は彼の「不正蓄財」を追及しています。

 総選挙をすれば、タクシン派が勝つことが予想されるそうです。 タイの憲法の規定で来年12月までには総選挙をしなければなりません。赤い服を着たタクシン派が、なぜそれまで待てなかったのか。浅見氏は双方に誤算があったと分析します。
 タクシン派は圧力をかければ譲歩が引き出せると考えた。政権側は、地方からやってきた農民などは、農閑期が過ぎれば郷里に戻り、大衆行動は短時間で終息すると計算した。

 浅見氏はタクシン派の主要メンバーについても説明しました。様々な個性の人物がいて、「面白い」というと不謹慎に聞こえますから、普通は「興味深い」というところでしょうが、生き生きと人物造形した小説にしたら面白いだろうなと思いました。
 浅見氏は、政権側と反タクシン側の交渉がネットで公開され、とても真剣に討議していたことを評価します。また大衆行動の指導者はステージの上から演説で、ことばで数十万人の人々をコントロールしなければならず、そうした才能は得難いとも指摘します。

 浅見氏は、黄色い服を着た反タクシン派、赤い服のタクシン派とも、自分たちのほうが民主主義を担っているのだと主張していることにも注意を喚起します。どちらも73年の民主化は評価し、議会制民主主義の否定にはいかない。
また、一つの家族の中でも、タクシン派、反タクシン派が分かれるなど、タイの政治は単純な構図では描けないといいます。
 どこかで直線的な発展段階の発想から自由ではないのでしょうか。省みると、タイは民主主義が西欧や日本よりも未成熟な社会と思っている自分がいると気付きます。しかし、大衆行動で政府を変えたことのない日本社会は、タイよりも民主主義が深化しているのか。考えることの多い講演会でした。
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