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JCJ機関紙『ジャーナリスト』08年10月号から、石埼一二前神奈川支部代表が、経済学者 相沢幸悦さんにインタビューした記事を掲載します。

緊急発言
 サブプライム問題どう対処
 公的資金注入だけではダメ
 内需拡大・福祉充実が必要

 米国のサブプライムローン破綻に端を発した金融危機が、世界的に広がっている。10月10日にワシントンで開かれた日米欧7カ国(G7)財務省・中央銀行総裁会議で安定化への行動計画を採択し、協調して対策に取り組んでいるが、金融危機を乗り切っても、その後に世界は深刻な不況に陥るとの見方もある。日本はどうすればよいのか。今春、『カジノ資本主義―サブプライムローン危機が教えるもの』(新日本出版社)を上梓した相沢幸悦埼玉大学経済学部教授にうかがった。(聞き手は石埼一二代表委員)

   今回のサブプライム危機は1990年代後半の日本の不良債権問題との類似性が指摘されています。米国など主要国の公的資金の投入で安定化できるのでしょうか?

 今回の危機の全貌はまだ誰にもわからないのです。全世界にばらまかれたサブプライム関連の証券は1000兆円以上で、損失は数百兆円に達するかもしれません。
 米国政府が議会を通した「金融救済法案」は75兆円規模で、これでは不十分です。
 日本の不良債権問題はいま思えば比較的簡単でした。銀行の不良債権がどれぐらいあるかは予想できた。当初、大蔵省は責任問題になるので過小に出してきた。私は95年段階で、「銀行が償却できるレベルではなく、公的資金を入れるべきだ」と主張しました。世論の抵抗はありましたが、拓銀と山一証券の破綻で社会の論調が変った。最終的に公的資金81兆円という枠が国会で成立した。
 今回の危機では不良債権が証券化されて、世界中に売られた金融商品にどれだけサブプライムローン関連の債券が入っているのか把握できない。
 世界の債権発行額が7千兆円、その半分が不動産関連として3500兆円。それに債券や銀行融資の信用保証が6500兆円あるといわれます。
 これは不良債権を買い取るだけでなく資本注入とセットでなければ効果がない。さらにその元となっている住宅市場価格の下落を食い止める必要がある。これは難しい。この三つが抜本策です。
 もう一つ、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)やそれを組み込んだ債務担保証券(CDO)といったデリバティブ(金融派生商品)が開発され売られました。CDSの総額は6500兆円といわれ、CDOは推定不可能です。金融工学でこれらを組み合わせたので、リスクが不明瞭になってしまった。

 米国の金融機関は高度の金融工学を駆使して、金融商品を開発しているといわれてきましたが?

 過去のデフォルト(債務不履行)確率をもとに金融商品を組み合わせて別の金融商品を開発するものです。しかし実際にはさまざまな条件で確率が変化する。それを考慮に入れていないために破綻したのです。

 米国政府は何故、バブルを放置したのですか?

 日本の不動産バブルの失敗に学ばなかったのです。87年、FRB(米連邦準備理事会)とドイツ連銀が利上げした時に、日銀は利上げせず、過剰流動性が生じてバブルを生んだとされます。アメリカもネットバブルが起きる時、利上げのタイミングが遅かった。
 ネットバブルがはじけた時は、日本がバブルをつぶしすぎた経験に学んで、すぐに利上げに転じましたが、政策的に住宅バブルを作った。
 アメリカは株主資本主義ですから短期の利益しかみない。仮に目先にとらわれず賢明な経営者がいて、これではバブルだからいずれ破綻すると言って行動したら、儲ける機会を逃したとすぐにクビになるでしょう。

 証券・金融会社のトップが政府高官になるなど癒着もある?

 あるでしょうね。
 格付け会社も犯罪的です。FBI(連邦捜査局)が動いて経済犯罪になるケースもあるかもしれません。

 国際間取引も規制がないですね。

 顕著な例はヘッジファンド(為替や金融商品を対象とする大規模投資集団)です。ドイツなどは規制があるがアメリカはほとんど規制をしない。

 日本はサブプライム関連の債権は少ないといわれていますが。 

 ヨーロッパほどではないが、ある程度はあるとみたほうがいい。
 リーマンのサムライ債はずいぶん地銀が買っている。CDOも少なくないと思います。
 ただサブプライム危機は、アメリカが2、300兆円だして抜本的対策をすれば終わります。

 アメリカ国債は誰が買うのですか。

 アメリカは資本注入を日本にやらせる可能性がある。日本の外貨準備は特別会計で運用されていますが、それで米金融機関の株を買う。中国も資本注入するでしょう。
 さもないとドルが暴落する。アメリカは資本注入を嫌がりますから、日本や中国、ヨーロッパにやらせる。

 庶民感覚では、なぜアメリカの失敗を日本の金で支えるのかと思うでしょう。 

 アメリカが破綻すると日本もつぶれることが一つ。また外貨準備を政府系ファンドとして運用すべきという意見は前からありました。アメリカは資本注入を好条件で持ちかけるでしょうから、危機が過ぎれば外貨準備は増えて運用益が出るかもしれない。日・米・中国などが資金を出し、資本注入すれば今回の危機は終わります。それから本格的な不況になる。
 アメリカは軍事産業に傾斜して、消費財は日本やドイツ、最近は中国から輸入する。好景気で消費が増えるほど貿易赤字が膨らみドルが危うくなる矛盾がある。常に景気を維持していなければならない。ネットバブルがはじけたあとは住宅バブルを作り出した。住宅価格が上がるのを前提に人々に投機させたのです。
 日本はその時にアメリカの好景気によって輸出が伸びた。小泉首相がやったのは労働コストの切り下げです。経済が立ち直ったのは輸出が伸びたからで、「構造改革」の成果ではありません。
 アメリカの消費は減り、日本でもますます消費が減っていくので景気の後退を覚悟しなければなりません。

 来年の物価は?

 下がるでしょうね。スタグフレーション(不況と物価上昇の同時進行)になるかと思っていましたが、今回は企業が価格転嫁できない。

 日本は内需を拡大しなければなりませんね。

 福祉の充実と賃上げ、ヨーロッパ並みの長期休暇を実現すべきです。
 高速道路の無料化もありうるが、懲罰的な罰金を課してでも、企業に長期休暇を与えさせる。
 これなら地方も活性化するし内需も拡大する。
 問題は企業経営を圧迫する点ですが、経営者は労働をコストと見るのでなく、経済を発展させることが自分の企業も発展させることだという考えに立つ必要があります。

(プロフィール)

あいざわ こうえつ
1950年生まれ。78年法政大学経済学部卒業、86年慶応大学大学院博士課程修了。日本証券経済研究所主任研究員、長崎大学経済学部教授をへて現職。著書『現代経済と資本主義の精神 マックスウェーバーから現代を読む』(07年 時潮社)、『「格差社会」を生き抜くための<図説>数字がものを言う本』(07年 彩流社)、『平成金融恐慌史 バブル崩壊後の金融再編』(06年 ミネルヴァ書房)
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