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 西山正啓監督の作品「梅香里」をJCJホームページで紹介した文章を再録します。
 2001年9月1日、掲載です。

 映画の鏡(2001年9月~10月)
 地域連帯で作られたドキュメンタリー
 在韓米軍による被害を告発 
          韓国映画『梅香里』(メヒャンニ)

  豊かな海村が米軍演習場に・・・

 梅香里というたおやかな名の村は、ソウルから60キロ南西にある。かつては海辺に梅が香り、海の幸ゆたかな干潟の沖に浮かぶ島には無数の海鳥が飛来したという。村人はすなどりして子を育て、おやつに海鳥の卵を採って与えたと古老は語る。
 1951年から、この村は米軍の戦闘爆撃演習場とされた。
 軍事政権下の韓国で米軍基地問題を語ることは禁じられ、不発弾や爆音、豊かな漁場に自由に入れない梅香里の人の苦しみが報じられるようになったのは、ソウルオリンピックの前年のことだった。
 作品の前半は梅香里で米軍基地反対闘争をしているチョンマンジュさんを中心に描かれ、干潟で牡蠣を採る場面、貝殻が30センチはあろうタイラギを焙り、それを肴に村人がマッカリを飲む場面など、生活のシーンが綴られる。
 空を渡る鳥の群れを追う詩的な映像には、しかし爆音を轟かせる爆撃機の姿が続く。
 ベトナム戦争が終った時に、余った兵器を処理するため大量の爆弾が投下されたと村人は証言する。かつて海鳥が飛来した島、画面にしばしば出てくる沖合いの島は爆撃の標的とされ、もとの三分の一になってしまった。  
米軍の性犯罪を糾弾する人々 

 作品の中ほどは、米軍基地のある街(「基地村」と呼ばれる)での殺人事件が取り上げられ、韓国の映像作家の作品も援用されて、老いてなお客を引く女性が無残に殺された悲劇が静かに告発される。おそらく犯人であろう米兵は未だにつかまっていない。
 西山正啓監督のこの作品で印象的なのはインタビューだ。すこし仰ぎ気味のアングルのインタビューの中で、駐韓米軍犯罪根絶運動をしている女性は、沖縄の「命どう宝」「結」という言葉に学び力づけられたと語る。
 「基地村」にある、女性の自立生活を支援するセンター(トレヴァン)のスタッフも語る。こちらは室内で床に座った彼女の全身サイズの画だ。彼女は身寄りの知れぬ被害女性の身元確認をしたことを淡々と語り、なお付け加える。殺されたのは耳の不自由な女性で、障害者であること、客をひく女性であることにより韓国社会で差別されていた。かりに学生が殺された場合はもっと人々の関心を呼ぶだろう・・・。
 従軍慰安婦が名乗り出たことにも、こうした女性スタッフの告発にも、韓国の人々は男尊女卑観念のつよい儒教社会を乗り越えようとしているのだと感じさせられる。


 韓国、湯布院、沖縄が連帯して作った作品

 トレヴァンの代表らしい別の女性もインタビュアーに向かい「日本ではどうか知りませんが、韓国ではマスコミは事件が起こると殺到しますが、すぐに忘れて省みなくなります…」と言う。かなり寄った映像は、穏やかな中に決然とした気品ある発言者の表情を映し出す。
 韓国の人々の直面するのは彼ら独自の問題でもあり、我々と全く共通でもある。
 村人や支援者と機動隊との衝突などのシーンもあるが、彼女らの真摯で深い発言に向き合ったところがこの作品の最大の見所だ。運動する人々の固い決意と静かな怒りを描いて、見る者に軍事基地の及ぼす罪科を指し示す。
 「韓国人も人間だ。米兵容疑者を特別扱いするな」
 最初の方に描かれた米軍基地反対デモであがった人々の怒りの声だ。射爆場のある大分・湯布院、沖縄、韓国の人々が共同で制作したこのドキュメンタリーは、各地で上映会が計画中されている。また作品の貸し出しも受け付けている。
          (保坂義久)

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